A.B.C-Zのステージは、消費した青春のぶんだけ輝いている

「思春期のころによく聴いていた音楽は、人生のうちで最も心に残る音楽になるらしい」という話を聞いて、自分のことを思い返せば、確かに思春期の頃聴いていた曲を今も好んで聴いているし、音楽の趣味の基盤として今の私にも強く根ざしている。思春期の頃に聴いていた音楽は、いつの間にか自分と切っても切り離せない関係になってしまったと思う。

A.B.C-Zはどうだろう。きっと思春期の彼らは、好きな曲やはたまた持ち歌よりもはるかに膨大な数先輩たちの曲を聴いてきたに違いない。聴いた瞬間に好きになった曲もあれば、何度も何度も聴き直して覚えた曲もあったんじゃないかと勝手に思っている。先日の大型歌番組で「夏の王様」のVTRが流れたとき、バックのジュニアと一緒にワイプのとっつーと塚ちゃんが歌い踊っていたから、「覚えているものなんだなあ」と感動してしまった。

彼らは、たくさんの青春を先輩のバックで踊ることに費やしてきた。「地元の友達が遊んでいる中で、なんで俺だけ立ち位置を覚えなきゃいけないんだろうって思ってた」*1「もっと勉強したかった」*2(ニュアンス)なんて本人たちがぽつぽつ話していると、彼らが歩むかもしれなかった別の道を想像して、少しだけ胸が苦しくなる。

でも、いまステージのど真ん中にいる5人は無敵だ。青春を消費して身につけたパフォーマンスはしっかりと根を張っていて、これまでに放ちきれず溜め込んだキラキラの分まで眩しい。泥臭い道を歩んできた彼らだからこそ、夢を歌う姿が美しい。今の姿に留まらず、進化を続けていくから私はいつも期待してしまうけれど、それ以上のものを返してくれるからどんどん好きになっていく。

A.B.C-Zを好きになって数ヶ月。ファンになってからというもの、リリースや個人での舞台、テレビなど色んな場所で活躍している5人を見て嬉しくなったり、たまに苦しくなることもあった。それでもやっぱり応援したくなってしまう魅力は、私にとって、こういう部分にあるのだと思う。

 

「ABC STAR LINE」発売おめでとうございます。

このアルバムが、たくさんの人の「青春」としてときめきを届けますように。

*1:ダヴィンチだった気がする

*2:GoGo5だった気がする