2023年12月のこと

 


私が橋本くんを好きなことって、人生のバグみたいだなってずっと思っていた。

 


バグとは言っても悪いことではなくて、全く予想していなかったところに落とし穴があった、みたいな感じ。

自分に橋本担というラベルを貼ってからそれなりに月日が経った。初めは自分が彼らの事務所文化に触れる日が来ることすらも信じられなかったのに興味本位でたまたま足を踏み入れて、その中で特別な1人を作って、しかもそれが今まで好きになったことのないタイプの橋本くんで、一緒に年月を重ねることになるなんて、もっと考えていなかった。


私のABC座初日、終わった後にどんな気持ちになるのかわからなくて緊張感があった。初日からネタバレを見ずに過ごして、どんな舞台になるのか期待もあった。色んな気持ちがごちゃ混ぜになったまま幕が開いて、5人の姿が見えた時に1番に思ったことは、「なんか橋本くんがすごくかっこいい気がする」だった。

もちろん橋本くんは普段からかっこいいのだが、纏う空気というか雰囲気が少し違う気がして初手から驚いた。


思い返せばこの回は開幕して間もなかったので、本人たちもあまり河合さんの卒業(脱進)に実感が湧いておらず、最後の挨拶でもそんな話が出ていたし、私はこの後も観劇の予定があったのでネガティブな感情に足を引っ張られずに済んでいたのだと思う。どんどん流れていくメドレーを1曲も逃すまいと目に焼き付ける中、伸びやかな歌声やキレキレのダンスが頭から離れなかった。

そして2幕のソロ「crazy about you」。セットなどはなく、ジュニアがバックについて踊る5人のみのシンプルなステージだったのだけど、白シャツで、ハンドマイクで、生歌で、命を燃やして踊る橋本くんに心を動かされた。2016年のアルバムに収録されていて、いろんな演出で何度か披露された曲だったけれど、今回のステージが1番よかったと心から思った。以前の橋本くんからパフォーマンスが確実にアップデートされていると感じた。私には、帝国劇場のステージを身1つで成立させたことが、これからの未来を背負う「覚悟」に思えてならなかった。

 

本人が言っていることで、橋本くんは気分にムラがある人だ。1度の観劇で言えることではないぞと自分に言い聞かせてはいたものの、この日連番した橋本担の友人も同じように感じていたらしく、その後も観劇したり、別の日に入った友人に話を聞いていくたびに気持ちが確信に変わっていった。


今回のABC座は最後の曲前に1人ずつ挨拶をする時間があった。ある日橋本くんがジュニア時代に帝劇に立った話をしてくれた。

「振付師さんに、1公演で1人ファンを掴め。そうしたら1カ月で30人ファンができると言われた。今はここにいる全員をファンにさせるようなつもりでここに立っています」

この話ですべて帳尻が合ったような気持ちになったし、それがパフォーマンスで伝わってきていたことにただ感動した。


正直、コロナ禍に入って彼らへの熱は以前よりも落ち着いていた。それは直接会えない日が続いたことだったり、新曲との相性だったり、色々理由はあったと思う。でも今回のパフォーマンスを見た私の気持ちは、好きになったばかりの頃そっくりのときめきで、それを今の橋本くんが引き出してくれたことがとても嬉しい。橋本くんが今回メンバーにとってもオタクにとっても大切な節目になるABC座に、真摯に向き合ってくれたことが伝わってきたことも嬉しい。きっと私は、また橋本くんに惚れ直したのだと思う。

 

これは担降りブログだ。以前の橋本くんから今の橋本くんへの担降りブログ。一度目はたまたまのタイミングが引き寄せてくれたバグだったかもしれないけれど、今回はきっと偶然でもなんでもないんだろう。しかも、もっとラベルをつけるならば「パフォーマンス出」ということになる。これって最高なことなのでは?


河合さんの卒業公演だというのに、橋本くんの話ばかりするのはかなり不躾かもしれない。もちろんこの期間は5人のことをたくさん考えたけれど、橋本くんの1ファンとして、この気持ちは新鮮なままどこかに残しておきたいと思って今ブログを書いています。


web企画で自分をプレゼンする質問を引き当てたのに短所を9個並べた橋本くん。ネガティブな自省の解像度が高くて笑ってしまったけど、そんな短所が見えなくなるくらいの強いかがやきがあることを、今はもっといろんな人に知ってもらえるといいなと願うばかりです。

 

4人になってからの未来は以前よりもけもの道かもしれなくて、それは本人たちもよくわかっていると思う。でも私はえび座の橋本くんを見て、少しだけこれからが楽しみになりました。近いうちに4人のパフォーマンスを見られる日が来ますように。